2019年07月29日

『正義とは何か 胸に刻んで』原爆朗読劇「夏の雲は忘れない」今夏終演』

夏休みに入りました。行き渋りの娘を送って行かなくても良いので気楽。でも終わっちゃうんだよね。夏休み。良い方向に進展していけば良いけど…。

今週の新婦人しんぶん☆勝手にピックアップ☆8月1日号

『正義とは何か 胸に刻んで』原爆朗読劇「夏の雲は忘れない」今夏終演』
俳優(劇団民藝)日色ともゑさん

 18人の女優たちが、出演するだけじゃなく、製作にかかわるすべての仕事を分担し、各地を巡演してきた『夏の雲は忘れない』原爆の惨禍と命の大切さを多くの人たちと共有し、今夏、終えんを迎えます。その1人、日色ともゑさん(劇団民藝)に聞きました。

 『この子たちの夏』(地人会)が初演(1985年)されたとき、私は客席にいました。同じ劇団の水原英子(故人)が出演していて、誘われたのです。

 1945年のあの夏の日、原爆によって無残に散っていったたくさんの命。「あのとき、わが子は…」「母は…」と綴った手記を、6人の女優たちが、淡々と朗読してゆく。真実の言葉、朗読の力に感動した私は、舞台の上にかけのぼりたいと思ったほど、衝撃を受けました。楽屋に行って、その思いを、ありったけの自分の言葉で表現したことを覚えています。

 それまで、私にとっての「戦争」は東京大空襲でした。3月10日。東京・日本橋の生家が全滅して、その少し前に、私は母と姉弟と千葉県の八日市場に疎開していて助かりました。祖母や叔母は死んでしまって…。叔母は8カ月の身重でした。夫である叔父は沖縄戦で死んでいます。

 小学5年生の時に、映画『原爆の子』(新藤兼人監督)を見て原爆の恐ろしさを知り、東京大空襲だけじゃない、各地に空襲があって、沖縄戦まで…と私のなかに「戦争」がどんどん広がって、正義とは何か、戦争は絶対やっちゃいけないと、子ども心に深く胸に刻みました。『原爆の子』には、のちに入団する民藝の宇野重吉さんや滝沢修さん、北林谷栄さんたち大先輩がたくさん出ていました。

 『この子たち…』の初演当時、私は宇野重吉一座で、全国を回っていたのです。88年1月9日に宇野さんが亡くなりました。しばらくぼんやりして、気力がなくなって、芝居で表現することは何もしたくないなぁと思っていたんです。そんな時、地人会の木村光一さんから、出演しないかと声がかかりました。もう二つ返事でした。

 12年前、地人会が制作をやめる時、私たちは「はい、そうですか」とはならなかった。みんな平和や核の問題は、演劇を通してやっていこうと言う気持ちが強かったんです。メンバーの1人中村たつさん(俳優座)は「私はつえをついてでも続けたい」と言われました。で、自分たちで上演を続けようと決め、「夏の会」を結成。翌年の夏から引き継ぎました。そのとき、メンバーは18人でした。

 「夏の会」を立ちあげてからは台本も作りました。資料を持ち寄って、被爆証言に関わる文書を国会図書館で調べたり、地元の図書館で本を借りて、体験した人の手記を中心にしました。公演先で子どもたちにも朗読に参加してもらおうと、手分けしてオーディションも。有志の方がたを中心に実行委員会を立ちあげてくださったり、どこでも新婦人のみなさんとの出会いがありました。

 私は、7月20日の大和高田(奈良)で終演でしたが、公演は8月も他のメンバーでまだ続きますので、実感はわきません。来夏に、もう公演はないんだなと感じると思います。でも、私の平和活動は終わりではなく、いままでも、これからも、1人でも続けていきます。

 7月公演の『闇にさらわれて』(訳・演出 丹野郁弓)で、1931年のベルリンで、ヒトラーに捕らえられ強制収容所に送られた弁護士・ハンスの母イルムガルトを演じました。息子を救出するために奔走するのです。イルムガルトを知る手がかりを、求めていたとき、彼女自身の手記『黒い灯』と出会いました。その日本語版の翻訳は野上弥生子さん(作家 新婦人創立呼びかけ人の1人)でした。

 私、若いころ、新婦人しんぶんのインタビュー企画で、1972年の1年間、その道一筋の仕事を続ける女性たちを訪ね、お話を聞く機会がありました。インタビュアーとして、北軽井沢の別荘でお仕事をされている野上さんをお訪ねしたのです。世の中を厳しく見ていらっしゃる姿勢は変わりなく、私が仕事か何かの悩みを訴えたのでしょう。「希望は自分で作るものよ」と、とてもすてきな言葉をいただきました。

 その野上さんが訳された『黒い灯』を読み返して、理知的な女性の内面に潜む、燃えたぎる激しい思いを、母としての深い愛情を表現しようと、背中を押されました。

 有楽町の交差点で「新劇人会議」という横断幕を掲げて、安保反対のデモをしている新劇人たちを見たのは1960年6月。『原爆の子』に出ていた俳優さんたちが歩いてこられたとき〝俳優さんたちも、社会に目を向けているんだ”と感激しました。俳優でも裏方でも何でもよい、この人たちと仕事がしたい、とその直後、19歳の時、民藝の俳優教室第一期生の試験を受けました。

 何かで迷っているとき、宇野重吉先生からは、「そこに正義があるかどうかを判断の基準にしろ」と言われました。私の指針になっている言葉です。これからは後に続く若い俳優にたちに、宇野先生の貴重な言葉を伝える役割があると思っています。


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