2020年06月29日

『人種差別をなくそう 全米・世界に広がる抗議行動 すべての人の尊厳と人権が尊重される社会へ』

もうじき7月。ただいま教科書展示会をやっていて、土曜日見に行った人たちもいるけど、私たちは明日見に行く予定。でも土砂降りらしい…。車で行くにしてもあまり降ると運転が怖いからほどほどが良いなあ。

今週の新婦人しんぶん☆勝手にピックアップ☆7月2日号

『人種差別をなくそう 全米・世界に広がる抗議行動 すべての人の尊厳と人権が尊重される社会へ』
ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)ボストン支部 カーリン・グリフィス・セクーさん

 「黒人の命は大切だ」「正義なしに、平和はない」―5月の白人警官による黒人男性の暴行死をきっかけに全米50州に広がった抗議行動。1968年の公民権運動の指導者、マーティン・ルーサー・キング牧師暗殺以来の規模と言われています。運動の中心を担う団体の一つ、ブラック・ライブズ・マターのボストン支部で活動するカーリン・グリフィス・セクーさん(2018年女性平和基金招待者)に聞きました。

 アメリカでの抗議行動は、今でも続く黒人解放のたたかいに新しい目覚めと力を与えています。新型コロナウィルスのパンデミック(感染大流行)の危機は、ずっと存在してきた白人至上主義と人種差別的な資本主義による暴力のパンデミックを浮き彫りにしています。

 1619年、最初の奴隷船がアメリカに到着したときから400年、人間が序列化され、人種による身分制度がつくられ、資本主義と軍事主義、人種差別の国としてのしくみができました。一方で奴隷にされたアフリカの人々は抵抗し続けたのです。人間の尊厳をかけ、奴隷のままでいるより死を選ぶと立ち上がったたたかいは、今の私たちのルーツです。

 1964年に人種差別撤廃をうたった公民権法が成立しましたが、差別は社会に深く根付き、数えきれないほど多くの黒人が、男女問わずリンチや警察の暴力で殺されてきました。今回の大規模な抗議のきっかけとなったジョージ・フロイドの死は、2014年にニューヨーク州で警官の締め技で窒息死したエリック・ガーナーの姿に重なります。行動の合言葉の一つになっているジョージの最期の言葉「I can,t breathe.(息ができない)」は、エリックが発した言葉でもあります。警察の取り締まりは奴隷を捕獲した時のやり方そのものです。また、「学校からの刑務所までの直通パイプライン」と言われるように、黒人の子どもたちは学校から落ちこぼれたとたんに、刑務所行きとなる現実があります。文化や教育、知識を奪う暴力です。

 行動のメッセージは「私たちは息をしなければならない」「もう十分だ」。ブラック・ライブズ・マターの運動が掲げる「黒人が自由でないうちは誰も自由になれない」ということを、多くの人が理解し始め、日々、合流する白人が増えています。

 若者たちに大きなエネルギーをもらっています。ボストンでは、ブラック・ライブズ・マターのところに3人の大学生が来て、自分たちが住むロクスベリ―などの地域では警官が若者を不当に扱っていること、貧困や社会サービスが受けられないなど様々に疎外されていることについて、自らの経験にもとづいて話してくれました。その後彼らは、ロクスベリーのヌビアン広場に集まろうと呼びかけるチラシをまきました。「何かしたい」という思いに駆られての直感的な行動でしたが、予想に反して数千人が集まりました。

 若者たちは今の時代を鋭くとらえ、技術を使いこなし、本当の民主主義とみんなにとっての世界のビジョンを描いています。人種差別や資本主義のもとで苦しめられてきた黒人の若者たちは、あらゆるところで黒人の自由のためにたたかうことを、自分たちの責務だと理解しています。

 警察の予算削減を求め、大学に警察と契約しないよう呼びかけるなか、ミネソタ大学が警察との契約を更新しないと決めたことは、大きな成果です。アメリカの「奴隷解放記念日」にあたる6月19日、国連の人権理事会が黒人差別と警察による暴力の解消を求める決議を全会一致で採択、欧州議会も大西洋奴隷貿易は「人道に反する罪」とする決議を採択するなど、国際社会も動いています。私たちは、学校の中を警官が闊歩するような状況を終わらせ、軍事ではなく、教育や住民のニーズにこたえられるよう地域を支援することなど、お金の使い方を変えていくことは加能だと信じて行動しています。

 また、抗議行動は、人種差別の言動をくりかえすトランプ大統領の辞任を要求し、選挙で選ばれた政治家たちにも要求をつきつけていきます。私たちの目標は、圧倒的多数派を形成し、もっとも弱い立場にある人々のために責任を果たす政府にして、公平で公正な社会をつくることです。

 今こそ、資本主義と消費主義にノーというときです。人種差別的な資本主義とグローバルな資本主義市場は、貧しい人や労働者階級の労働と福祉を搾取する、経済の暴力です。富が一握りの人々に集中する一方で、多くの人が生き抜くことさえ困難な状況に置かれています。人は誰でも当たり前のこととして、住居、医療が保障され、暴力を受けず安全でいること、文化が損なわれず完全に保たれること、そして生活できる収入を得るなどの基本的で普遍的な人権が保障されるべきです。若者たちは、抑圧的なシステムや負債を引き継ぐべきではありません。

 私たちと資本との関係を見直し、つながりあい依存しあいながらみんなが繁栄するような、尊厳ある別の経済のありかたを考えるときです。

 公民権運動と現在の運動の大きな違いは、上下関係がなく、強力なリーダーもいなくて、誰もが対等平等に参加していることです。私たち全員がリーダーシップと才能ににあふれているのですから。危機の中で、性別や性自認、働き方や年齢など違いを超えてつながりたい、話を聞きたいという思いは共通です。今、たくさんの人が立ち上がり、異なる人種や文化がつながった幅広い運動、素敵なたたかいになっています。

 2018年に原水爆禁止世界大会と核兵器なくそう女性のつどいに参加して、私は、すべての人の尊厳と価値を求める私たちのたたかいが正しいものなのだと、実感しました。ヒバクシャの証言は、核兵器の脅威とともに、よりよい世界をつくるたたかいには道徳的勇気と不屈の精神が必要だということを教えてくれました。

 新婦人のみなさんと過ごした時間、そして今も続いている連帯に励まされています。それぞれの国でたたかう私たちは、しっかりと腕を組み、揺らぐことのない支援と姉妹としての連帯(シスターフッド)で支え合っているのだと知ること。これこそ世界をつくる力です。  


2020年06月25日

おしゃべりママ6月報告

今日のおしゃべりママは卒業アルバムの写真撮りで美容院に行った娘の話からスタート。

子どもの頃はそんなじゃなかったのに、今くせ毛がひどくて、クルクルモジャモジャした髪になっちゃう娘。

美容師さんによると、生涯4回くらいはホルモンの変化で髪質が変わるらしく、白髪が多いのはストレスらしい。

そこから、円形脱毛症や髪の毛を抜いちゃう抜毛症の話などなど、とりあえず、若い子はストレスなくなれば白髪は黒くなるし、円形脱毛症も治るらしい。年取ると白いままだけどね。

そこから、髪型や白髪染め、化粧品の話に発展し、ポニーテールも「うなじが性的に誘う」だのなんだのより、「活発に動くと崩れやすい」のが納得いくよね…なんて。

娘が通おうと思ってる通信制高校の中等部に行ったら「趣味はサッカーです」なんて言う明るいスポーツマンタイプの不登校君がいて、不登校っていろいろあるんだなぁ…と思ったり。

中等部のある日にちょうど生理が来ちゃって、薬局に痛み止め買いに走った話から生理痛や保健室での対応の話になりました。

いろんな年代の子を持つお母さんがいるので、話が幅広くて面白いですよ。

少し顔出すだけでも良いので遊びに来てね〜。

次回は7月30日(木)10時〜
新婦人事務所です。  


Posted by つむたい at 14:39Comments(0)おしゃべりママ 子育て

2020年06月22日

『学校再開どうですか?緊急アンケートを持って、文科省へ要請』

 夏休みの短縮にやっと気がついた息子…。ものすごくブルーな気分で登校していきましたが、新婦人の先輩ママのアドバイスで「中学生になったら部活や課外で夏休なんて、もともとあってないようなもん」と言ったら「あ そっかあ」単純で良かったなあ。突然の長い休校の後の追い上げ授業に追われる子どもたちのアンケートをまとめました。

今週の新婦人しんぶん☆勝手にピックアップ☆6月25日号

『学校再開どうですか?緊急アンケートを持って、文科省へ要請』

 新婦人は6月2~15日、学校再開後の子どもたちのようすを聞く緊急アンケートを実施。2週間で1392人から回答が寄せられました。「集まった声を、急ぎ文科省に届けよう!」と15日、「中間まとめ」と要請文を持って、千葉、埼玉、神奈川、東京の若い会員らと要請しました。

 文科省からは、大臣官房審議官(事務方のナンバー2!)が対応。参加した会員がポイントに沿って、訴えました。
 少人数学級を求めたYさん(千葉・船橋支部)は、「これまで家の中で感染防止の生活をしてきたのに、送り出した学校では38人、40人という大クラス。『なぜ?』という気持ちです。予算を大幅につけて、1クラスは20人ぐらいにしてほしい」。

 Aさん(埼玉・浦和支部)は、「熱中症も、感染と同じくらい心配。授業中、暑くてしょうがないとき、『トイレに行っていいですか』と言って、個室の中でマスクをはずして深呼吸している」と子どもの様子を紹介すると、参加者からどよめきが。Kさん(船橋支部)は、「更衣室がないという理由から、制服の下に体操服を着て登校し、中1の娘は〝あせも”ができています。教科書も分厚くて、副読本も多い。制服を着なくていい、教科書は学校に置いていいなどの発信を」と求めました。

 「どうしても訴えたくて、仕事を休んできました」と話すのは神奈川のSさん。休校中は在宅勤務だったものの、「パソコンから離れてはいけない(ビデオ機能で管理)」という原則で、小1の子どもはテレビ漬けに…。「親がついていて、声かけしたり、課題を見てあげないと1人では、とてもすすめられません。ところが学校からは、『課題はどう?』と聞かれ、親としてプレッシャーを感じます。自粛生活で体力がすごく落ち、朝、起きるのも学校へ歩いて行くのも大変。遅れた学習を取り戻す前に、心のケアを」。

 さいたま市のTさんは、休校中の「デジタル授業」について。「160校の先生たちに3日間で作らせた800本の動画は、『音読をおうちの人に聞いてもらいましょう』『おうちの人とクマの気持ちを考えましょう』など、家庭が巻き込まれる内容に。英語の発音を聞かれ、親も困ったにもかかわらず、6月議会で市教育長は『文科省からお褒めの言葉をいただいた』と答弁。中身を見てから言ってほしい」と。

 要請では、文科省も「コロナ禍では20人以下の小人数学級は必要」という認識であることがわかりました。一方で、それは8都道府県の中3、小6と限定的。感染率を下げるうえでも、子ども一人ひとりの心身のケアのためにも、一部ではなく全体に広げてほしい。「予備費を使った追加措置、そして概算要求を求めていきたい」と訴えて、要請を終わりました。

発言を受けての回答

少人数学級 3密を避けなければならないときは、20人以下で授業を。そのために補正予算で加配を3100人にした。対象は、特定警戒地域(8都道府県)の小6と中3の一部(3分の2)。また既存の加配TT(チーム・ティーチング)の先生を少人数学級に振り分ける。学習指導員で教員の免許のない人にも特免、臨免を出して、担任として少人数学級編成のために使うことを可能にする。これは他の学年でも可能。

熱中症対策 今夏はヨーロッパでは200年ぶりの暑さと言われている。みなさんの言う通り、万全な備えが必要。何が優先順位にくるのか、しっかり言っていきたい(翌16日にマニュアル改訂)

学びの保障 教科書で、これは授業で取り上げなくていいという部分(全体の20%程度)を示している。極端に言えば取り上げなくてもいい。(参加者の声を受け)それが徹底されていないということなんですかね…。埼玉の「授業ビデオ」はまだ拝見していない。全県のとりくみをよくみて今後の備えをしていきたい。

給食費 (給食がなかった4・5月分も徴収された、との参加者の発言に)その市の教委がどのように判断したのか、事情を聞いてみたい。3月分の給食補助金を新たにたてたが、あまりにも現場に浸透していない。周知をしていきたい。  


2020年06月15日

『水やお茶を飲んでほしい 子育てQ&A(月1回)』

一気に暑くなりました。行き渋りの娘を学校に送る時間としんぶん仕分けのスタート時間がギリギリなので、娘を送りながら事務所に荷物と自転車を置いておき、事務所に戻る…。一人で学校へ行ってくれると助かるんだけど、そういうわけにはいかないからなあ…

今週の新婦人しんぶん☆勝手にピックアップ☆6月18日号

『水やお茶を飲んでほしい 子育てQ&A(月1回)』

Q 4歳の息子は食事の時以外、水やお茶を飲みません。熱中症にならないよう、水分補給させる方法はありますか?ジュースやスポーツドリンクは糖分が気になりあまりあげたくありません。

A いっぱい汗をかいて遊んだあとは、どの子もガブガブ水を飲みますが、普段の生活では特に水分を欲しがらない子もいます。食事の時に牛乳をいっぱい飲むなど、水分を多めにとっていると、水やお茶を飲みたがらないこともあります。

 でも、これからの時期、水分のこまめな補給が必要ですね。暑くなれば、自然に水分をとる機会は増えると思います。お子さんが元気に遊んでいるならあまり心配しなくてもいいかと思いますが、子どもは夢中で遊びますから、顔がほてっていないかなど、体の様子は気にかけたいところです。

 まずお子さんに、熱中症について話をしてみましょう。その年齢なりに理解ができると思います。そして、「お水飲もうね」と氷水やお茶をコップに入れて少しずつでも飲むことをくり返してみてください

 食事で水分をとることも大事ですので、食事の時にはみそ汁などの汁ものを添えましょう。最後にお茶を飲んで口をきれいにする習慣をつけると水分補給にもなります。

 甘い飲み物は与えたくないとのことでしたら、おやつをスイカなど水分の多い果物にしたり、ゼリー、牛乳寒天、かき氷にするなどの工夫をしてみましょう。

 汗をかくと体からは水分だけではなく塩分も失われます。保育園では夏場に、塩分・糖分・クエン酸が入った飴をおやつに出すこともありました。遊んだあとにはお茶の時間をとり、散歩では小さい子のクラスは水と全員分の紙コップを持参して、水分補給を意識させていました。

 出かけるときには水筒を持っていき、遊んだあとの水やお茶がこんなにおいしいんだと体験するのもいいと思いますよ。  


2020年06月08日

『水害、地震、新型コロナ… 複合災害に備える』

 先週までは新入生の夏服の納入が遅れているから…と体操服で通学してよかった中学校が、今日から制服。でも外は暑い…。マスクして歩くからよけいに暑い気がして、コロナも心配だけど、熱中症も怖いなあ…。

今週の新婦人しんぶん☆勝手にピックアップ☆6月11日号

『水害、地震、新型コロナ… 複合災害に備える』

 大雨による災害が発生しやすい梅雨の時期。防災問題の専門学会が、新型コロナウィルスと自然災害の複合災害による感染者の爆発的増加を避けるため、「従来とは避難の方法を変えなければならない」と発信しています。あらためて防災について考えます。

 まず各自がハザードマップや地域防災計画などを参考に、地震や火山、土砂災害、河川の氾濫などの危険性と避難について確認し、必要な場合はあらかじめ避難所を決めておきましょう。

 ハザードマップは最新版で見ます。避難場所は、災害ごとに異なる場合があるので注意しましょう。

 新型コロナウィルス感染の拡大を防ぐために、行政は避難所を増やし、学校の体育館だけでなく教室を使ったり、避難者間のスペースを確保するようにし、ついたての設置、消毒液などの備蓄整備も必要です。感染疑いのある人がいる場合は、建物を分けることも。

 また、避難所の国際的な最低基準(スフィア基準)を参考に、十分なトイレ、温かい食事を提供するキッチン、感染を防ぐためにも有効な段ボールベッドが迅速に提供されることも重要です。

 今夏は平年より気温が高くなるとの予報も出されています。熱中症対策として、扇風機や空調設備の整備も望まれます。

 今年は感染リスクを考慮し、避難所は公的なところだけではなく、可能なら安全な近くの親戚や知人の家などを、前もって自主避難所として頼んでおくことも大切な点です。

 自宅での居住が続けられる場合でも、浸水が続く期間を参考に、食料や水、簡易トイレなどの備えをしましょう。

 避難所への安全なルートを確認しておくことも大切です。実際に非常持ち出しリュックを持って、晴れの日だけではなく、雨が降っているときなど、条件を変えて移動してみましょう。

 災害発生時には、さまざまな方法で情報が発信されます。防災無線のほか、防災情報を受け取れる防災メール登録を募っている自治体もあります。ラジオやテレビ、気象庁や国土交通省のホームページなど、情報を集め、早めに避難するようにしましょう。

※スフィア基準とは
 災害や紛争などの被災者すべてに対する人道支援活動を行う際の守るべき最低基準で、1998年に決められた「人道憲章と人道対応に関する最低基準の通称。人道憲章、権利保護の原則、コア基準を土台とし、さらに水の供給量、トイレの設置基準や避難所で一人当たりの最小面積などが定められている。  


2020年06月01日

『学生が大学を越えつながって、国に迫る 一律学費半額に!』

 北九州で学校でのクラスターが出たらしいけど、今日から普通に学校再開。息子は「いつもお弁当ありがとです」なんてサラっと言うようになりました。学校でのクラスターが出ないで子どもたちの日常が戻ると良いなあ。

今週の新婦人しんぶん☆勝手にピックアップ☆6月4日号

『学生が大学を越えつながって、国に迫る 一律学費半額に!』
「一律学費半額を求めるアクション」代表 山岸鞠香さん

 コロナ禍で保護者の収入が激減したり、学生のアルバイト先の休業など〝5人に1人が退学を考える”事態が起こっています。全国200を超える大学の学生が、学費減額や支援を求めるインターネット署名を展開。運動は、大学の垣根を越え、「一律学費半額化」を求める署名アクションへ発展しています。代表で大学院生の山岸鞠香さんに聞きました。

 コロナ禍で学生が退学せざるをえない実態を明らかにし、各大学とつながって「一律学費半額」を求めるネット署名にとりくんできましたが、第1次補正予算案で盛り込まれたのは7億円。学生1人当たりわずか200円というものでした。

 私たちが記者会見や署名提出などで、連日マスコミやSNSを通じて世論を起こし、授業料減免費用は500億円になりました。でも、この500億円は消化しないのでは?と私たちは思っています。給付対対象は全学生の1割程度と限られています。申請できる人が少ないし、知らない人がほとんどだからです。

 例えば、申請にはアルバイト収入の「50%減」という条件がありますが、困窮している学生は、感染リスクにおびえながらも、学費や生活費のために、アルバイトを続けていました。「50%減」が条件となれば、「休めない環境にあった人」を切り捨ててしまいます。

 大学が授業料を免除した場合、助成する学生支援給付金がありますが、各大学まかせです。大学は学生から大量に寄せられる申請の中で〝下から何十人を選ぶ”という作業で、学生には大学に事務から深夜や土日にメールが送られてきたり…。もちろん学生には申請してほしい。応募数があることによって、需要があることが可視化できるからです。その一方で、職員が過労で倒れるのでは…。私たちが「一律学費半額」と求めてきた理由は、こういう作業を省くためのものでした。

 国は、授業料免除の審査を各大学にやらせることで、審査に落ちた恨みは大学に向かわせる=学生が国を恨まないようにさせる仕組みになっているのです。

 学費の前期分は貯金を切り崩してなんとかなったにしても。後期分は難しいというのが多くの学生の声です。

 各大学がはじめた学生支援も「貸付」がほとんどです。返済期限が2年後というところもあり、在学中に返済を迫られるケースも。すでに学生支援機構(学生ローン)で借りている人には、さらなる借金でしかありません。

 東京のある私学では10万円貸し付けて返済は3カ月後です。本気で支援する姿勢ではありません。休学する場合も私学では年間90万~70万円の支払いが迫られ、奨学金もストップ、学生寮も出なくてはいけません。「5人に1人が学校をやめる」と考えている、その理由が見えてきました。

 この状況は、そもそも学費が高いことから起きているのです。ひとまわり、ふたまわり上の世代とは、バイトの単価も違います。「バイトをがんばればなんとかなる」という状況になく、みんなが苦学生です。相当な時間数をバイトに費やし、稼ぐしかありません。

学費問題で、各大学への署名運動から国の予算要求への共同のアクションになったきっかけは、SNSを通じて、学生たちが交流したことです。

 私は、1年前から「チェンジ・アカデミア」という大学院生のアカデミック・ハラスメント(アカハラ)や学費をテーマに活動しています。当時の孤軍奮闘の経歴があったので、声を上げた学生たちと、とりあえずつながって、ノウハウとかも共有していこうかと、片っぱしから声をかけていきました。

 つながってみると、署名の効力やどこで集めるのか、だれを対象にするのか、署名はどこに出すのかなど、わからないことがいっぱい。みんな同じことで悩んでいました。そのうち、まとめてくれる人がでたり、署名を集めている人が、これから集める人にアドバイスしたり。

 ほとんどの学生は大学とかけ合った経験がなく、「学長に署名を出したいけど、どうすればいい?」と聞きあったり。学長からの返答もSNSで共有したので、いろんな学校の事情をみんなが知ることにもなりました。

 私と新婦人との出会いは、2年前の東京医大の入試女性差別に抗議する「怒りの女デモ」(神奈川県)です。私にとって初めてのデモで、怖くて、参加というより見ているだけでした。でも、そこで力強い女性たちの姿を見るだけで、〝自分の心持ちが変わる”とういうのを体感しました。新婦人やフェミニストのツイッターを見るだけで、自分の尊厳を保てるような感じもありました。

 今回SNS上で「金をせびっている学生」「大学生は遊んでる」などのバッシングがありました。

 日本では、差別発言や悪意ある意見でも、〝貴重な意見として受け止める”という風潮があります。でも、不寛容なものに、寛容になる必要はありません。それをしたらメンタルがやられちゃう。でも一人はしんどくなっちゃうので、みんなで悪意ある発言に対して、「これはおかしい」ということを「認定」していきました。これは2年前に活動を始めたときに気づいたこと。今回、生かせてよかったです。

 大学院にすすめない人が増えています。お金がかかることが関係しています。

 学費が高いというのは、ある意味で差別です。経済的な弱者の存在を排除した制度をつづけ、放置してきたことが、日本の社会の歪みに直結していると確信しています。

 コロナ禍で、これまで何とかバイトや学生ローンで学費を払えていた人たちが切り捨てられていったら、この社会の狂いは加速すると感じます。だから譲れないんです。

 私は、学生たちの〝まとめ役”として、控えめにしていますが、しぶとくやっています。

 先日発表された第2次補正予算でも、要望は実と現していません。次なる狙いは、臨時国会です。保護者や、企業の経営者、そして大学をまきこみたい。学生が次つぎ退学したら、大学こそ困るはず。ここまで学生がお膳だてしているのに大学が何もしないなんて、あきれます。

 今後、大人目線での学生支援の重要性を訴えていきます。


署名「国による一律学費半額と、大学などへの予算措置を求めます」

1.国の予算で一律の学費半額化を求めます(要請項目)
 経済的影響が長期化することで、学業を続けることが難しい学生が大量に出てくる恐れがあります。対象が狭く審査に時間をとる現行の制度ではなく、国公私立の違いや、課程や学年の違い、国籍の違いを問わない学費半額への一律減額を求めます。

2.大学などへの予算措置を求めます

 国は、新型コロナへの対応で増えた大学などの費用を補填してください。大学ではオンライン授業の設備投資や教職員の残業代など、予期せぬ負担が出ています。例えば、図書館休館に伴って書籍を貸し出すシステムを各大学が整備する際、国がこの費用を補償してください。