2018年07月10日

『危険なブロック塀は撤去を 通学路緊急ウォッチング各地で』

 6月18日、息子が元気に登校してから、突然の揺れ。学校のブロック塀につぶされて女の子が亡くなったと聞いてぞっとしました。「うちのちびちゃんが同じ目にあったら…」とつぶやくと「私は?」と娘。あんたは今一人で登校せずに、車で送っていってるでしょ。一人で登校するようになったら心配してあげるよ。

今週の新婦人新聞☆勝手にピックアップ☆7月12日号

『危険なブロック塀は撤去を 通学路緊急ウォッチング各地で』
 震度6弱の大阪北部地震

 6月18日朝に起きた、大阪北部を震源とする最大震度6弱の地震。高槻市では寿栄小学校のブロック塀が倒れ、女児が犠牲になりました。新婦人はいま全国で通学路の危険個所ウォッチングを緊急に実施し、改善を求める運動をつよめています。高槻市部の会員と、学校や通学路をチェックしました。

 「朝、小学4年生の娘が家を出て、下の子(小2)が歯磨きのために洗面台の踏み台に上がった時、ドンという揺れがきて…。とっさにその子を夫が抱き、私ははだしのまま外に飛び出し、登校中の娘を探しました」とÙさん(43)。冷蔵庫を固定したつっぱり棒が吹き飛ぶほどの衝撃でした。「大型の家具に近づかない、ガラス片などに気をつけて必ず靴を履くなど、事前に思っていたことは、何一つできなかった」と。通学路では、中学生が小学生を抱いて守っていてくれ、近所の人と声をかけ合いながら、避難場所となる学校へ向かいました。


 Tさん(39)が、揺れの直後、小学1年生と3年生の子どもたちを探して通学路を走ると、近所の家の灯篭が崩壊して、通学路に転がっているのを目撃しました。「もしそこを子どもたちが歩いていたら…。ブロック塀の下敷きになった女の子のことを思うと本当につらい」と声を震わせます。

 近所の小中学校と通学路をチェックしようと、地元の中学校前に集まったのはUさんとTさん、Kさん(40)、支部事務局長のMさんの4人。地震後、初めてみんなが顔を合わせます。

 会員の夫で、構造設計一級建築士のSさんをアドバイザーに、通学路のブロック塀などをウォッチング。この日は汗が噴き出るほどの猛暑日。学校で水泳の準備が始まるなか、緊急のブロック塀撤去作業が始まっていました。

 Sさんは、「ブロックは、塀には不向きな建築素材です」ときっぱり。ブロックはそもそも風呂場などの水まわりや部屋の間仕切り外壁材として開発されたものですが、「安価で扱いやすい素材だから」との理由で、塀としての利用が広がりました。

 しかし、地震のたびにブロック塀倒壊による死亡事故が多発していたのです。40年前の宮城沖地震(1978年6月)で18人が犠牲に。これを教訓に建築基準法が改正され、塀の高さの上限は3メートルから2・2メートルに引き下げられましたが、危険なブロック塀は放置されています。

 理由は二つです。改正された基準は新築の建築物のみが対象で、既設の建物には適用されず、見過ごされがちであること。もう一つは、家などの箱モノは基準の適用が重視されますが、後付けでつくる塀は軽視されがちで、撤去には多額の費用がかかることです。

 学校も例外ではありませんでした。事故のあった寿栄小学校も、校舎には最新の耐震補強が施され、校門には「緊急避難所」と大きな看板もつけられていました。しかし、塀は耐震化の対象から外され、置き去りにされていたのです。

 「寿栄小学校の場合、ブロック塀を支える控え壁がなく、高さが3・5メートルもあるなど、法令違反は一目瞭然。それが放置されたことは、とても残念です」とSさん。

 Uさんの近所の中学校は、死亡事故のあった小学校と同じで、プールの基礎部分の上に目隠しとして、法令(2・2メートル以下)違反のブロック塀がずらり。しかもひび割れや基礎部分との深いズレもあり、倒壊寸前でした。その真下は通学路を示す、グリーンベルトです。

 高槻市が市内の小中学校59校を調べ、21校で違法なブロック塀が見つかりました。

 通学路を歩くと、地震で倒れかかった民家の塀がビニールテープで補強され、「キケン」の文字が張り出されています。Sさんの「この塀は側面からみると、直交する壁との接続に鉄筋などが使われていません」との指摘に、「本当だ」と、一同びっくり。倒れかかった塀は、かろうじて電信柱が支えていました。

 あるお宅では、頭上より高い塀の上に長い御影石が載せてあります。これは飛んでくる可能性が高いので、避けて歩いたほうがいい」とSさん。しかし通学路沿いの歩道にはガードレールがあります。「これでは子どもたちの逃げ場がないよね。ここのおうちの人と話してみようか」と、さっそく相談が始まりました。

 通学路で危険なのは、建物からの落下物です。屋根瓦や看板、窓ガラス、自動販売機からは離れ、頑丈な建物の中に避難すること。まずは危険個所をチェックして、子どもたちと一緒に通学路マップを作るなど、意識化することが大切です。

 ウォッチングの後も、話は止まりません。

 「保育園へ向かう車の中で大きな揺れを感じ、園に着くとみんなが園庭に避難していて。その数時間後に水、ガスも止まり、夕方にはスーパーやコンビニから食品が消えました。Tさん。余震も続き、「夜明け頃に揺れるたび、子どもを抱きしめ、眠れなかった。10日ぐらいたった今になって疲れが出て、気持ちが重い…。思った以上のストレスと気づきました」と。

 Uさんも「子どもたちもそうだった。地震後、数日間は実家に避難し、その後もしばらくは学校に行けなかったよ」と話します。

 「うちも学校に行けなかった。教室の壁が崩れて、トイレも使えない状態になって、学校こそ安全にと感じた。『教育にお金(税金)を』と言ってきたけど、教育費だけじゃなく学校施設もだね」とTさん。「カジノを作ってる場合じゃない」と一同。

 支部事務局長のMさんは話します。「困っていることを聞きながら、通学路を安全なものにできるよう、相談を始めてみましょう」

 ウォッチングをした2日後の7月2日、高槻市は市内の小中学校や公共施設にある高さ1・2メートルを超えるブロック塀を原則、すべて撤去すると発表しました。対象は計104の小中学校・施設で、今秋までに作業を完了させる予定です。

 建築基準法の塀の高さ2・2メートル以下を大きく下回る1・2メートル超の塀を撤去することにした背景には、倒壊した場合にブロックが頭部を直撃することを想定し、小学1年生の平均身長参考に算出したことがあります。さらに市は、民間のブロック塀の撤去費の補助も発表。高さ80センチ以上の塀を対象に、道路に面する塀は20万円、通学路に面する場合は30万円を上限に補助することに。今月中旬から受付が始まります。

 新婦人は「学校、通学路、公共施設、生活道路のブロック塀などの危険個所ウォッチング」と、教育委員会、自治体への緊急要請を全国各地からスタートしています。

 通学路を見ると、危険と感じる民家の塀は多数ありますが、撤去費用は個人にかかります。一方自治体独自で補助金を交付し、撤去を推進しているところもあります。こうした制度の有無を自治体へ問い合わせ、制度がない場合はウォッチングの結果と合わせて要請しましょう。


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