2018年02月26日
『学習指導要領改訂案でどう変わる?高校の学び』
今日は昼から娘が進学する中学校のカウンセラーさんと面談。小学校で娘を拾って行かなきゃいけないので忙しかった~。ポカポカの晴天で良かったけどね。
今週の新婦人新聞☆勝手にピックアップ☆3月1日号
『学習指導要領改訂案でどう変わる?高校の学び』
中田康彦(一橋大学大学院社会学研究科教授)
文部科学省が2月14日、高校学習指導要領改訂案を公表しました。この改定案について、一橋大学大学院教授の中田康彦さんに概要・問題点を寄せてもらいました。
2020年度から適用される高校学習指導要領改訂案は、昨年三月に公表された小・中学校の学習指導要領同様、「社会に開かれた教育課程」「主体的・対話的で深い学び」の実践を掲げています。また身につけるべきものは「学力」から「資質・能力」へと変わり、教育内容だけでなく教育方法についても規定されるようになった点も小・中学校版と同じです。
小・中学校と異なるのは、教科・科目の構成や必修科目の設定が大幅に入れ替えられた点です。「世界史」「現代社会」に代わり、「地理総合」「歴史総合」「公共」が必修科目として新設されました。また、理科や数学とは別に「理数」という教科が新設されたほか、国語では「現代の国語」「言語文化」「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探求」、外国語では「英語コミュニケーション」「論理・表現」という具合に科目構成が組み替えられています。
道徳教育推進教師を中心に、すべての教師が協力して道徳教育を展開することが新たに規定され、「公共」や「倫理」、特別活動が中核的な指導場面と位置付けられています。
道徳教育と並んで強調されているのが、伝統や文化に関する教育の充実です。国語(「言語文化」「文学国語」「古典探求」)では日本の言語文化への理解を深めることが重視され、ほかにも武道(保健体育)、和食、和服及び和室など、日本の伝統的な生活文化の継承・創造に関する内容(家庭)の充実が打ちだされています。「倫理」では、「古来の日本人の心情と考え方や日本の先哲の思想」や「伝統的な芸術作品、茶道や華道などの芸道などを取り上げ、理解を深める」ことが強調されています。
「公共」では、男女が共同して社会に参画することの重要性について触れることとされ、「倫理」では「異なる文化や宗教を持つ人を理解し、共生に向けて思索できるよう指導する」となっています。しかし一般的・抽象的なレベルにとどまっています。
その一方で、公民科に属する科目(「政治経済」など)では「尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は存在していないことなどを取り上げること」と、きわめて具体的で論争的なトピックについて政府見解がを教えることが求められているといったアンバランスがみられます。
人間の尊厳と平等、個人の多様性の尊重という点では進展が見られません。
「保健」では、LGBT(性的マイノリティーの総称)SOGI(性的思考と性自認)といった性自認・ジェンダーアイデンティティーの多様性についての言及はありませんでした。「家庭」では、「男女が協力して主体的に家庭や地域の生活を創造する資質・能力」を育成することが目的として位置付けられていますが、それ以上の具体的内容は盛り込まれていません。また、そもそも伝統的な家庭観を踏襲しており、ライフスタイルの多様性に対する言及もありません。
「アクティブ・ラーニング」と呼ばれる、主体的・対話的で深い学びをきちんと行うには時間がかかります。卒業要件は74単位と従来どおりですが、このままだと授業時間を増やすか、基礎知識の獲得をまびくか、といった対応が迫られるでしょう。
高台接続(高校と大学が一体となった教育改革)が叫ばれ、大学入試改革が検討されていますが、大学入試の流れが変わるのはまだ先となりそうです。当分の間は、基礎知識が獲得されているかどうかを重視する大学入試に対し、学校の授業だけで対応しなければならない生徒が、授業方法の変化の影響を一番大きく受けることになりそうです。
今週の新婦人新聞☆勝手にピックアップ☆3月1日号
『学習指導要領改訂案でどう変わる?高校の学び』
中田康彦(一橋大学大学院社会学研究科教授)
文部科学省が2月14日、高校学習指導要領改訂案を公表しました。この改定案について、一橋大学大学院教授の中田康彦さんに概要・問題点を寄せてもらいました。
2020年度から適用される高校学習指導要領改訂案は、昨年三月に公表された小・中学校の学習指導要領同様、「社会に開かれた教育課程」「主体的・対話的で深い学び」の実践を掲げています。また身につけるべきものは「学力」から「資質・能力」へと変わり、教育内容だけでなく教育方法についても規定されるようになった点も小・中学校版と同じです。
小・中学校と異なるのは、教科・科目の構成や必修科目の設定が大幅に入れ替えられた点です。「世界史」「現代社会」に代わり、「地理総合」「歴史総合」「公共」が必修科目として新設されました。また、理科や数学とは別に「理数」という教科が新設されたほか、国語では「現代の国語」「言語文化」「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探求」、外国語では「英語コミュニケーション」「論理・表現」という具合に科目構成が組み替えられています。
道徳教育推進教師を中心に、すべての教師が協力して道徳教育を展開することが新たに規定され、「公共」や「倫理」、特別活動が中核的な指導場面と位置付けられています。
道徳教育と並んで強調されているのが、伝統や文化に関する教育の充実です。国語(「言語文化」「文学国語」「古典探求」)では日本の言語文化への理解を深めることが重視され、ほかにも武道(保健体育)、和食、和服及び和室など、日本の伝統的な生活文化の継承・創造に関する内容(家庭)の充実が打ちだされています。「倫理」では、「古来の日本人の心情と考え方や日本の先哲の思想」や「伝統的な芸術作品、茶道や華道などの芸道などを取り上げ、理解を深める」ことが強調されています。
「公共」では、男女が共同して社会に参画することの重要性について触れることとされ、「倫理」では「異なる文化や宗教を持つ人を理解し、共生に向けて思索できるよう指導する」となっています。しかし一般的・抽象的なレベルにとどまっています。
その一方で、公民科に属する科目(「政治経済」など)では「尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は存在していないことなどを取り上げること」と、きわめて具体的で論争的なトピックについて政府見解がを教えることが求められているといったアンバランスがみられます。
人間の尊厳と平等、個人の多様性の尊重という点では進展が見られません。
「保健」では、LGBT(性的マイノリティーの総称)SOGI(性的思考と性自認)といった性自認・ジェンダーアイデンティティーの多様性についての言及はありませんでした。「家庭」では、「男女が協力して主体的に家庭や地域の生活を創造する資質・能力」を育成することが目的として位置付けられていますが、それ以上の具体的内容は盛り込まれていません。また、そもそも伝統的な家庭観を踏襲しており、ライフスタイルの多様性に対する言及もありません。
「アクティブ・ラーニング」と呼ばれる、主体的・対話的で深い学びをきちんと行うには時間がかかります。卒業要件は74単位と従来どおりですが、このままだと授業時間を増やすか、基礎知識の獲得をまびくか、といった対応が迫られるでしょう。
高台接続(高校と大学が一体となった教育改革)が叫ばれ、大学入試改革が検討されていますが、大学入試の流れが変わるのはまだ先となりそうです。当分の間は、基礎知識が獲得されているかどうかを重視する大学入試に対し、学校の授業だけで対応しなければならない生徒が、授業方法の変化の影響を一番大きく受けることになりそうです。
Posted by つむたい at 20:47│Comments(0)
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