2018年10月08日
『本当に必要ですか?消臭・除菌スプレー』
さわやかな秋晴れです。今年は台風が多いせいかきれいに晴れた秋空が少なかったのでちょっとうれしい。娘の学校のPTAのお仕事、絶好のバザー品回収日和です。
今週の新婦人新聞☆勝手にピックアップ☆10月11日号
『本当に必要ですか?消臭・除菌スプレー』
洗剤・環境科学研究所 代表 長谷川治さん
衣類や布団などにスプレーするだけで、消臭と除菌ができるという「消臭・除菌スプレー」。使っている人も少なくないでしょう。その効果、安全性について洗剤・環境科学研究所の長谷川治さんに聞きました。
ソファやカーペットなどが臭うのは、そこについた汗や手あかなどの汚れに、カビや細菌が繁殖するためです。細菌が汚れをさまざまな物質に分解するなかで腐敗物質ができ、嫌な臭いが出るのです。汗や手あかなどはもともと臭わないので、繁殖するカビや細菌をなくせば臭いは出なくなります。
ほとんどの消臭スプレーに除菌成分が含まれていて、殺菌して細菌の増殖を抑えることで消臭しています。また香料を配合して、いい臭いをつけることで嫌な臭いを感じなくさせているのです。
テレビなどのコマーシャルは「瞬間お洗濯」と。汚れが分解されてなくなるような印象を与えていますが、細菌を殺菌するだけで、汚れ自体はなくなりません。カビや細菌は空気中に漂っているので、すぐ汚れについて繁殖し、また臭いが出ることになります。
洗濯用や食器用の洗剤は、「家庭用品品質表示法」という法律で正確に成分表示をする規定があります。しかし消臭・除菌スプレーは、最近できた生活用品のため表示の規定がありません。
例えば消臭スプレーに表示された消臭成分の「トウモロコシ由来成分」は。シクロデキストリンという、ブドウ糖が結合した環状のデンプンです。この輪の中に嫌な臭いを取り込むと説明されていますが、香料も配合されているので、いい香りと嫌な臭いを区別して閉じ込めることができるか疑問です。強い香りで嫌な臭いを感じさせなくしているだけなのです。
除菌成分で「有機系」とあるものは、食べ物で使われるような無農薬や有機肥料を使ったもののような印象を受けますが、この〝有機”は単なる科学用語で、「有機化合物(炭素と結合している物)」という意味しかありません。「有機酸」と総称されているものも、有機化合物の酸、つまり酢酸やクエン酸のことです。
また「Quat(クォット)」という総称で呼ばれている成分は、「第四級アンモニウム塩」という殺菌消毒効果のある界面活性剤です。代表的なものが塩化ベンザルコニウムで、病院の消毒や化粧品などいろいろな製品に使われています。ベンゼンが原料のとても毒性の強い殺菌剤です。一般的に〝肌の弱い人は使わないように”とされており、アレルギー作用を起こしやすい成分として、医薬部外品の「表示指定成分」になっています。
スプレーしたカーペットや布団などに、子どもや肌の弱い人が寝転ぶと心配です。殺菌成分によって肌荒れやアレルギーをおこしたり、吸い込んでぜんそくの原因になる恐れがあります。
メーカーは売るために、毎日毎日コマーシャルを流し、「消臭・除菌スプレーを使うのがあたりまえ」という雰囲気を社会全体に作り出しています。
部屋の臭いが気になったら、まず喚起をしましょう。カーテン類は洗濯し、カーペットは掃除機をかけ、ソファは雑巾でふきます。布団類は干し、日光に当てます。げた箱は重曹をふりかけ、ほうきで掃いて、からぶきでほこりを取りましょう。靴もできたら時どき洗います。消臭スプレーを使わなくても、臭いのもとになる汚れを取れば消臭はできるのです。
今週の新婦人新聞☆勝手にピックアップ☆10月11日号
『本当に必要ですか?消臭・除菌スプレー』
洗剤・環境科学研究所 代表 長谷川治さん
衣類や布団などにスプレーするだけで、消臭と除菌ができるという「消臭・除菌スプレー」。使っている人も少なくないでしょう。その効果、安全性について洗剤・環境科学研究所の長谷川治さんに聞きました。
ソファやカーペットなどが臭うのは、そこについた汗や手あかなどの汚れに、カビや細菌が繁殖するためです。細菌が汚れをさまざまな物質に分解するなかで腐敗物質ができ、嫌な臭いが出るのです。汗や手あかなどはもともと臭わないので、繁殖するカビや細菌をなくせば臭いは出なくなります。
ほとんどの消臭スプレーに除菌成分が含まれていて、殺菌して細菌の増殖を抑えることで消臭しています。また香料を配合して、いい臭いをつけることで嫌な臭いを感じなくさせているのです。
テレビなどのコマーシャルは「瞬間お洗濯」と。汚れが分解されてなくなるような印象を与えていますが、細菌を殺菌するだけで、汚れ自体はなくなりません。カビや細菌は空気中に漂っているので、すぐ汚れについて繁殖し、また臭いが出ることになります。
洗濯用や食器用の洗剤は、「家庭用品品質表示法」という法律で正確に成分表示をする規定があります。しかし消臭・除菌スプレーは、最近できた生活用品のため表示の規定がありません。
例えば消臭スプレーに表示された消臭成分の「トウモロコシ由来成分」は。シクロデキストリンという、ブドウ糖が結合した環状のデンプンです。この輪の中に嫌な臭いを取り込むと説明されていますが、香料も配合されているので、いい香りと嫌な臭いを区別して閉じ込めることができるか疑問です。強い香りで嫌な臭いを感じさせなくしているだけなのです。
除菌成分で「有機系」とあるものは、食べ物で使われるような無農薬や有機肥料を使ったもののような印象を受けますが、この〝有機”は単なる科学用語で、「有機化合物(炭素と結合している物)」という意味しかありません。「有機酸」と総称されているものも、有機化合物の酸、つまり酢酸やクエン酸のことです。
また「Quat(クォット)」という総称で呼ばれている成分は、「第四級アンモニウム塩」という殺菌消毒効果のある界面活性剤です。代表的なものが塩化ベンザルコニウムで、病院の消毒や化粧品などいろいろな製品に使われています。ベンゼンが原料のとても毒性の強い殺菌剤です。一般的に〝肌の弱い人は使わないように”とされており、アレルギー作用を起こしやすい成分として、医薬部外品の「表示指定成分」になっています。
スプレーしたカーペットや布団などに、子どもや肌の弱い人が寝転ぶと心配です。殺菌成分によって肌荒れやアレルギーをおこしたり、吸い込んでぜんそくの原因になる恐れがあります。
メーカーは売るために、毎日毎日コマーシャルを流し、「消臭・除菌スプレーを使うのがあたりまえ」という雰囲気を社会全体に作り出しています。
部屋の臭いが気になったら、まず喚起をしましょう。カーテン類は洗濯し、カーペットは掃除機をかけ、ソファは雑巾でふきます。布団類は干し、日光に当てます。げた箱は重曹をふりかけ、ほうきで掃いて、からぶきでほこりを取りましょう。靴もできたら時どき洗います。消臭スプレーを使わなくても、臭いのもとになる汚れを取れば消臭はできるのです。