2018年03月12日

『卵子の老化…知っておきたい 思春期つながるよりそう(月1回連載)』

もう3月も半ば。月日が経つのは早いなあ…。もうじき子どもたちも春休みになります。

 今週の新婦人新聞☆勝手にピックアップ☆3月15日号

『卵子の老化…知っておきたい 思春期つながるよりそう(月1回連載)』

 大学生に性教育をしています。日本で激しく性教育バッシングがおこなわれたころに小・中学生だった現在の大学生たちは、そうでなくても貧しい日本の性教育の中で最もまともに性教育を受けるチャンスのなかった人たちです。性についての知識はないけれど、成長するにつれて性の問題は当面する大きな課題になってきます。性について知らないことが多すぎるために、大学生になっても性の問題で重大な失敗やつまづきをしています。

 女性のからだの性周期や男性の射精のこと、性交や妊娠につながる過程について科学的に学ばせることで、ようやく性の基礎知識がわかりはじめ、それまで頻繁にあった〝生理が来ない”〝妊娠したかも…”というような重大な駆け込み的な相談がパタッとなくなっていきました。性教育を受けることで、性的な体の科学や、性の素晴らしさ、性の役割、パートナーとともに生きる喜びなどを学び、当面する自分の課題として生き方につなげていっていることがよくわかります。

 専門職をめざして学んでいる女子学生が多いということを考慮して〝卵子の老化”の問題も取り上げました。35歳のころから卵子の老化が始まり、その影響で不妊や流産につながったり、障害を持った赤ちゃんが生まれる可能性があることなどを話し、恋愛適齢期と出産適齢期は違うことを考えさせました。反響は大きく、感想文には「卵子の老化にショックを受けた。自分は卒業後、専門職としてのキャリアをとことん積み、そのあと、出産・子育てしようと考えていた。でもそれでは間に合わない。卵子の老化が始まるまでにあと14~15年。日本の社会は女性が力を出して生きていくにはあまりに生き難い」と書かれていました。

 私は毎年、繰り返し「女性が仕事も子育ても両立できる社会を一緒に創っていこう」と性教育の中で語り続けています。