2015年05月11日

『作家松谷みよ子さんを偲んで 女性の視点とリアリズム 作家水谷章三さん』

さてゴールデンウィークが明けて、月曜日。みなさん順調に登校、出勤できましたか?我が家では息子が大泣き。4月からの緊張が疲れとなってふっと解けるゴールデンウィーク。乗り切るのはなかなか難しいですね。

今週の新婦人しんぶん☆勝手にピックアップ☆5月14日号

『作家松谷みよ子さんを偲んで 女性の視点とリアリズム 作家水谷章三さん』

 『龍の子太郎』「いないいないばあ』…など、単行本だけでも500冊以上を世に出した作家の松谷みよ子さんが亡くなって(2月28日)2か月半。生前本紙にもたびたび執筆。イラク戦争時(03年)は、「いまこそ、平和憲法を」とコメントを寄せ。「女たちが起(た)ちあがらなくてはならないときです」と励ましました。「太郎座時代から50年以上のおつきあい」という作家の水谷章三さんに聞きました。

 松谷みよ子さんと夫瀬川拓男氏が立ち上げた人形劇団「太郎座」に誘われたとき、ぼくはまだ20代半ばでした。

 当時、松谷さんは、太郎座の近所のお母さんたちとも交流し、地域の子供会のメンバーでした。(瀬川)拓さんが子どもたちに絵を教える時のサポートもしていましたが、しっかりしていて明るい松谷さんは、お母さんたちから頼りにされる存在でした。

 長女のたくみちゃんをおんぶして『龍の子太郎』を書いていたのもこのころです。

 松谷さんがとりくんでいた各地の民話採訪にも同行させてもらいました。

 山形のある姉妹のおばあちゃんの家に行ったとき、いろり端でひざをまじえて語りを聞くんですが、土地の生活の中から出てくる言葉についていくのは大変です。おばあちゃんの想いをなんとか共有しようと松谷さんは真剣でした。松谷さんは体が丈夫な方ではないですから、聞いているとくたびれて、つい…。そうしたら、語り手がまくらを二つ持ってきて2人でちょっと横になる。そしてまた続きを聞いて…。初対面でもそういう雰囲気を作ってしまう人でしたね。

 聞かせてもらった話を作品にするんですが、松谷さんがとびぬけているのは、母親の目線です。母の目線で日々伝えられてきた昔話をとらえる。民話って、為政者伝えてきたのではなく、虐げられた貧しい人たち、民衆が伝えてきた話です。信濃の各地で取材した昔話を再創造した『龍の子太郎』も母の愛がベースになっていると思います。

 民話で知られている作家ですが、ファンタジー『キママ・ハラヘッタというヒツジの話』も秀逸です。食いしん坊なヒツジが一匹とヒツジを愛するオバサンの、広大な自然の中で繰り広げられるおおらかなお話です。ファンタジーのなかに、現代の自然に対する人間の罪=悪さをとらえています。

 松谷さんはファンタジー作家でもありますが、いわゆる扉を開けたら別の世界というのではなくて、土台にはリアリズムがある。「ファンタジーってリアリティーがなくてはだめなのよ」とよく言っていました。

 『小さいモモちゃん』シリーズも松谷さんの日記から生まれたみたいなものだと思います。子育てのなかで、克明に日記をつけていたようです。日常生活がリアルにとらえられているから、読み手が共感するんでしょうね。いつも若い母親に向けて書いていた。母親が母親であるためには平和が原点でしょう。戦争とは真逆です。

 平和をテーマにした作品も少なくありません。読んだ人がしみじみ平和って大事なんだと思えるような作品が多い。『二人のイーダ』も、原爆という大テーマへの入り口は。まず、椅子が動くって言うイメージだったといいます。『まちんと』はトマト、『ぼうさまになったカラス』はカラスが坊さまになってワーッと空を飛ぶ、そういう印象的なシーンを置くことで、物語は展開していったのでしょう。

 松谷さんとその作品は国民的財産だと思いますね。



Posted by つむたい at 23:06│Comments(0)
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