2013年04月22日
『漫画で描く東日本大震災「ストーリー311」』漫画家ひうらさとるさん
今日は娘は土曜の授業参観で代休。姉ちゃん休み。4月はイベントがいっぱい。
今週の新婦人しんぶん☆勝手にピックアップ☆4月25日号(次週は休刊)
『漫画で描く東日本大震災「ストーリー311」』
漫画家ひうらさとるさん
そこでいきている人の思いを伝えたい
東日本大震災から丸2年の3月11日、著名な11人の漫画家が被災者を取材して描いた漫画作品集『ストーリー311』(講談社)が単行本と電子書籍で同時出版されました。昨年3月からインターネットで毎月1作品が配信され、ツイッターやフェイスブックなどでも話題に。プロジェクトの発起人で人気漫画家『ホタルノヒカリ』など多数の作品がある漫画家、ひうらさとるさんに聞きました。
この本は今年の3月11日に出版することを決め、逆算して昨年の3月からインターネットで配信しました。
被災者の方からも「共感した」という感想をいただきましが、被災地にすんでいない方から「描きにくかったのでは」「覚悟がいったのでは」と漫画家を思いやる感想が、ことのほか多かったのです。
これは意外な反応でした。「何かかかわりたいけれど、どうしたらいいのかわからない」、「かかわることはおこがましいのではないか」と迷っている人がたくさんいたからでしょうか。
私が発起人ということになっていますが、実際は周りが押し上げてくれて、結果的にそうなっていたのです。
震災後、私も何かしなくちゃ、と寄付をしたり、チャリティーを企画したりしていましたが、やっぱり漫画家としてできることは漫画なのではないか、と思っていました。
ボランティアで岩手の南三陸市にいっていた友だち2人が、被災の実相を伝える「語り部」の人たちと出会い、「漫画にしてもらえないか」と持ちかけてきたのです。
それで、私が親しくしている漫画家仲間に声をかけたのです。連載を何本も抱えている人もいましたが、みんな快諾してくれました。私自身がみんなに支えられているのです。
取材にうかがうと、これを本当に描いてよいのだろうか、作品になってしまうと影響力が大きいから気をつけなくては、と思いました。特に福島県は東西にひろいので、福島の人はみんなこうなんだと思われてはいけませんから。
どの漫画家も共通していたのは、いつも描いている作品よりもずっと時間がかかったということです。1人8ページというところで、何をそぎ落とし、何を残すのか、またモデルの方ががっかりしないように、相手の思いを傷つけないようにと、相当神経を使ったと言っています。
私はいま兵庫県に住んでいますが、出身は大阪です。
阪神・淡路大震災(1996年1月17日)の時は24歳で、東京にいました。大阪には身内もいましたけれど、屋根瓦が飛んだり食器棚が倒れたりはしても、家が壊れるほどの被害はありませんでした。また、神戸の三ノ宮にいる友だちに電話がつながらなくてショックでした。後で消息がわかり、私の身内にも知人にも亡くなった人はいませんでした。
そのことをありがたく感じて、それからですね。何かをしたいと思ったのは。
阪神・淡路大震災の時はまだ若かったけれど、今年4歳になる娘(東日本大震災当時1歳半)がいますから、子どもたちやお母さんたちのことを思うといたたまれなくなる。その感覚は違いますね。
おかげさまで、「図書館にリクエストしました」「子どもの学校に買って寄付しました」というお便りもいただき、感謝しています。
また、「今回は描けなかったけれど、次は参加したい」という漫画家が何人もいて、うれしく思います。復興にはまだまだ時間がかかりますから、できることを続けていきたいと思います。
『ストーリー311』講談社、単行本838円+税、電子書籍(Kindle版など)700円+税
☆執筆した漫画家
末次由紀/さちみりほ/上田倫子/ひうらさとる/東村アキコ/岡本慶子/ななじ眺/樋口橘/うめ/新條まゆ/おかざき真里(掲載順・敬称略)
☆全11話(ほかにプロローグとエピローグあり)11話とも漫画家自身が被災者を取材し、各8ページのストーリーにまとめた。東日本大震災の1年後から連載が始まった。
※印税と著作料の全額および必要最低限の経費を除いた利益が被災地復興のために使われる。
今週の新婦人しんぶん☆勝手にピックアップ☆4月25日号(次週は休刊)
『漫画で描く東日本大震災「ストーリー311」』
漫画家ひうらさとるさん
そこでいきている人の思いを伝えたい
東日本大震災から丸2年の3月11日、著名な11人の漫画家が被災者を取材して描いた漫画作品集『ストーリー311』(講談社)が単行本と電子書籍で同時出版されました。昨年3月からインターネットで毎月1作品が配信され、ツイッターやフェイスブックなどでも話題に。プロジェクトの発起人で人気漫画家『ホタルノヒカリ』など多数の作品がある漫画家、ひうらさとるさんに聞きました。
この本は今年の3月11日に出版することを決め、逆算して昨年の3月からインターネットで配信しました。
被災者の方からも「共感した」という感想をいただきましが、被災地にすんでいない方から「描きにくかったのでは」「覚悟がいったのでは」と漫画家を思いやる感想が、ことのほか多かったのです。
これは意外な反応でした。「何かかかわりたいけれど、どうしたらいいのかわからない」、「かかわることはおこがましいのではないか」と迷っている人がたくさんいたからでしょうか。
私が発起人ということになっていますが、実際は周りが押し上げてくれて、結果的にそうなっていたのです。
震災後、私も何かしなくちゃ、と寄付をしたり、チャリティーを企画したりしていましたが、やっぱり漫画家としてできることは漫画なのではないか、と思っていました。
ボランティアで岩手の南三陸市にいっていた友だち2人が、被災の実相を伝える「語り部」の人たちと出会い、「漫画にしてもらえないか」と持ちかけてきたのです。
それで、私が親しくしている漫画家仲間に声をかけたのです。連載を何本も抱えている人もいましたが、みんな快諾してくれました。私自身がみんなに支えられているのです。
取材にうかがうと、これを本当に描いてよいのだろうか、作品になってしまうと影響力が大きいから気をつけなくては、と思いました。特に福島県は東西にひろいので、福島の人はみんなこうなんだと思われてはいけませんから。
どの漫画家も共通していたのは、いつも描いている作品よりもずっと時間がかかったということです。1人8ページというところで、何をそぎ落とし、何を残すのか、またモデルの方ががっかりしないように、相手の思いを傷つけないようにと、相当神経を使ったと言っています。
私はいま兵庫県に住んでいますが、出身は大阪です。
阪神・淡路大震災(1996年1月17日)の時は24歳で、東京にいました。大阪には身内もいましたけれど、屋根瓦が飛んだり食器棚が倒れたりはしても、家が壊れるほどの被害はありませんでした。また、神戸の三ノ宮にいる友だちに電話がつながらなくてショックでした。後で消息がわかり、私の身内にも知人にも亡くなった人はいませんでした。
そのことをありがたく感じて、それからですね。何かをしたいと思ったのは。
阪神・淡路大震災の時はまだ若かったけれど、今年4歳になる娘(東日本大震災当時1歳半)がいますから、子どもたちやお母さんたちのことを思うといたたまれなくなる。その感覚は違いますね。
おかげさまで、「図書館にリクエストしました」「子どもの学校に買って寄付しました」というお便りもいただき、感謝しています。
また、「今回は描けなかったけれど、次は参加したい」という漫画家が何人もいて、うれしく思います。復興にはまだまだ時間がかかりますから、できることを続けていきたいと思います。
『ストーリー311』講談社、単行本838円+税、電子書籍(Kindle版など)700円+税
☆執筆した漫画家
末次由紀/さちみりほ/上田倫子/ひうらさとる/東村アキコ/岡本慶子/ななじ眺/樋口橘/うめ/新條まゆ/おかざき真里(掲載順・敬称略)
☆全11話(ほかにプロローグとエピローグあり)11話とも漫画家自身が被災者を取材し、各8ページのストーリーにまとめた。東日本大震災の1年後から連載が始まった。
※印税と著作料の全額および必要最低限の経費を除いた利益が被災地復興のために使われる。
Posted by つむたい at
23:32
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